文字入力の作業中、記号を使うことがあります。
記号を正しく使用することができれば、よりわかりやすい文章に仕上げることができますし、ライティングスキルを上げることにもつながります。
記号の中でも、文字や数字以外で日本語で使われるものを約物(やくもの)と言います。
この記事では、よく使われている代表的な約物を紹介します。
区切り符号
。(句点、まる)の使い方
「くてん」と読みます。
ひとつの文の終わりに打つのが基本です。
その他、4つのルールを覚えておきましょう。
1. ?(疑問符)や!(感嘆符)が入る場合、句点を打たない
新型コロナは終息するのか?
2. 「」の文末には、句点を打たない
小説の場合、作家によって「」の文末に句点を打つ作品も見られるが、Web上の一般的な文章では句点を打ちません。
愛犬が「ドッグランで走りまくりたいよ」という顔をしている。
3. 文の最後に注釈や補足の()が入る場合は、()の後に句点を打つ
犬の平均寿命は14歳です(ちなみにギネス記録は29歳)。
4. 文の最後に筆者名や出典先などが入る場合は、()の前に句点を打つ
・愛の反対は憎しみではなく、無関心です。(マザー・テレサ)
・新規サービスで大手ITに対抗する構えだ。(◯◯通信)
、(読点、てん)の使い方
「とうてん」と読みます。
主な8つのルールを覚えておきましょう。
1. 主語または主部の後に打つ
主部とは、主語の役割をする語の集まりのことです。
徹夜続きの兄の目は、いつも以上にどんよりとしている。
2. 並列する語句の間に打つ
並列する語句の間には打ちますが、最後の語句の後には読点は打ちません。
いい男の条件は、優しさ、強さ、素直さ、清潔感、それなりの収入の5つだ。
3. 文と文の区切りに打つ
「主語+述語」と「主語+述語」の組み合わせや、「主語+述語」と「述語」の組み合わせの文の区切りに打つと読みやすくなります。
・父は庭で花に水をやり、母はこたつで丸くなっている。
・部長はパソコンを見て、大きなあくびをした。
4. 理由と結論を区切る場合に打つ
朝寝坊が直らないので、夜早く寝ることにした。
5. 逆説をわかりやすくする場合に打つ
髪型を変えてみたが、誰にも気付かれなかった。
6. 修飾語がどこにかかっているかわかりにくい場合に打つ
・無愛想な父が嬉しそうに、走り回る愛犬を見つめていた。(嬉しそう→父)
・無愛想な父が、嬉しそうに走り回る愛犬を見つめていた。(嬉しそう→犬)
7. 接続詞の後に打つ
電車は動き出した。しかし、諦めるのはまだ早い。
8. 季節や時間の語句の後に打つ
・昨年の秋、秋刀魚を食べるのを忘れた。
・明後日の午後、駅前の喫茶店で待ち合わせましょう。
ルールに則って読点を打ちすぎると、かえってわかりにくい文章になってしまいます。
あくまでも読み手の立場になって、読みやすくなるように読点を打ちましょう。
音読しながら、読点の位置を調整するのも方法のひとつです。
・(中黒、中ぽつ)の使い方
1. 同じような分類の語句を並列させる時に打つ。
音楽・ゲーム・映像業界で働きたい人は多い。
2. カタカナ表記外国人名の姓名の区切りやカタカナ用語の区切りで打つ
ジョージ・マイケル・ジュニア
3. 箇条書きの先頭に置く•(ビュレット)の代わりに打つ
・肌がカサつく
・小ジワが気になる
そんな方にはこの化粧水がおすすめです。
.(ピリオド)の使い方
日本語ではあまり使われませんが、以下のように英数字と一緒に使われることがあります。
1. 箇条書きで番号を振る
ピリオドの後には半角空きが入ります。
1. 生卵を割る
2. 醤油と混ぜ合わせる
3. あったかご飯にかける
2. 略語記号として使う
・Mr.Smith, Dr.John(敬称)
・Jan. Aug. Fri.(月・曜日)
・Vol.5, No.1(数量)
:(コロン)の使い方
1. 説明・補足をする文の前に打つ
ダイバー:潜水する人。
ダイバーシティ:直訳すると多様性。
2. 対比表現で使う
賛成と反対は、3:7の比率でした。
3. 時刻表記で使う
受付時間 10:30〜11:30
似たような表記で;(セミコロン)もありますが、日本語ではほとんど使用しないので間違えないようにしましょう。
/(スラッシュ、斜線)の使い方
1. 情報などを区切る時に打つ
駅徒歩7分/席数50席/ディナー営業のみ/カード可
2. 年月日表記に使う
2023/1/28(土)
?(疑問符)!(感嘆符)の使い方
?は疑問文の後に、!は強調したい時に、句点の代わりに使います。
共に、後ろに文章が続く場合は、1文字スペースを空けるのが基本ルールです。
ただし、半角スペースだったり、空きがなかったりする文章も見かけます。
いずれにしても読みやすいように、表記ルールを統一することが重要です。
また、?と!は普通の文には使わず、疑問や感情を表す時に使うようにしましょう。
「!!!」のように使うことは、読者を過剰に煽ることにつながりますので、おすすめしません。
・世界初! ついにロケットが土星に到着した。
・守るか攻めるか? 人生には大きな分岐点がいくつかある。
括弧類
「」(かぎかっこ)の使い方
1. 会話文に使う
「みなさん注目してください」と山田部長が立ち上がった。
2. 強調したい語句に使う
国家「君が代」を会場の全員で斉唱した。
『』(二重かぎ)の使い方
会話文中に、二重に会話文や特別に扱いたい語句がある場合に使います。
「あの子、『ピカチューが飼いたい』ってずっと泣いていたの」と妻が言った。
“ ”(ダブルコーテーションマーク)の使い方
日本語では強調したい語句に使用することがありますが、乱用しないようにしましょう。
マーケティングとは、“売れる仕組みづくり”である。
()(かっこ、パーレン)の使い方
1. 語句や文末に注記や補足説明をする時に使う
WHO(世界保健機関)は、人間の健康を基本的人権のひとつと捉えています。
2. 箇条書きの番号を括る
(1)納豆をよく混ぜる
(2)あったかご飯の上にのせる
(3)小口切りのネギをのせる
【】(すみつきパーレン)の使い方
目線誘導のために使うことが多くなり、一般的に文中で使うことは少なくなりました。
タイトルや見出しで、強調したい語句に使います。
【300万本突破】バカ売れ化粧水のマーケティングがすごい
[](ブラケット、角かっこ)の使い方
丸括弧の中にさらに括弧を入れ子にしたい時に使います。
求人サイト[ジョブスイッチ(株式会社ルート)]で転職先を探した。
つなぎ符号
―(ダッシュ)の使い方
1. サブタイトルを括る時に使う
ひだまり日記―ある老夫婦の7年間―
2. 余韻をもたせる時に使う
2つ繋げて使います。
「もう少しだけ、早く気がついていれば――」
3. 文中の補足部分に使う
()を使わずに、文に馴染ませて読ませたい時に2つ繋げて使います。
昼食後、体がだるくて眠くなる――アフタヌーンディップと呼ばれる――ことがあります。
4. 時間や空間が移る場合に使います
名古屋―東京間を2時間で移動します。
…(3点リーダー)の使い方
言い切りができない場合に使います。
2文字連続で使用するのが一般的です。
「はい、確か明日だったような……」
〜(波形・波ダッシュ)の使い方
時間や距離、数値などの範囲を表す時に使います。
・火〜木曜日は、在宅勤務も可とする。
・寄付は500円〜受け付けます。
しるし物
※(米印)の使い方
1. 注意書きとして使う
締切は3月31日まで。
※それ以降の提出は無効とします。
2. 脚注として使う
文中の語句の右隣に脚注「※」を入れ、本文の最後や各章の最後に「※」を冒頭に打ち注釈を書きます。
複数ある場合は「※1」というように番号を振ります。
エレキギターは、シールド※1とアンプ※2に繋がないと音が出ません。
※1 ギターとアンプをつなぐケーブル。
※2 ギターからの音信号を増幅させて出力する機材。
*(アスタリスク)の使い方
英語では注釈の時に使います。
日本語でも注釈として使う文章を見かけますが、「※」を使う方が一般的です。
→↓(矢印)の使い方
順序や順路を表す時に使います。
決まったルールはありませんが、ブログなどで手順を説明する文章ではよく見かけます。
家→郵便局→公民館→スーパー→学校、が最短のルートだ。
1. 料理の具材ひとつひとつを眺める
↓
2. 味のイメージをふくらませる
↓
3. よく噛んでじっくりと味わう
商用記号
®︎(Rマーク、登録商標)の使い方
登録商標を取得している商標であることを示す記号です。
商標の右上に表記します。
表記は義務ではありませんが、原稿によっては付けるよう指示がある場合があります。
Jazzmaster®は、一番好きなギターだ。
©︎(コピーライト)の使い方
Copyrightを略した記号で、著作権を意味します。
Webサイトのヘッダーに表示されていることが多いです。
「©(半角スペース)最初の発行の年(半角スペース)著作権者の社名または氏名」が正しい表記です。
© 2023 mixport
インターネットでよく使われる記号
@(アットマーク)の使い方
もともとは単価を表す記号ですが、今では大変広く使われています。
1. 単価を表す
ずんだ餅@180円
2. メールアドレスの個別名とドメインの間に使う
半角の@を使ってください。
info-000@mixport.jp
3. 場所を表す時に使う
「at」という意味合いで使われています。
肉フェスタ@山田公園
#(ナンバー、井桁、ハッシュタグ)の使い方
1. 番号の表記に使う
#1 #302 #109
2. ハッシュタグとして使う
SNSなどでハッシュタグとして広く使われています。
情報収集や検索の際に、「#キーワード」で検索すれば関連情報を探し出すことができます。
また、情報発信や共有する際は、投稿文のあとに「#キーワード」を入力することで、検索した人との情報共有が可能になります。
投稿する場合は、投稿文のあとに半角スペースを入れてから「#キーワード」を入力します。
必ず半角の「#」を使ってください。
全角の「#」はSNSでは認識されませんので注意してください。
新しい記事を公開しました。ぜひ、ご覧ください。 #Webライター #副業
まとめ
日本語の文章入力でよく使用する記号を紹介しました。
今回ご紹介した記号は使用頻度が多いものを選びましたので、ぜひこの機会に覚えてみてください。
記号を上手に使いこなすことで、よりわかりやすい文章を書くことができます。